テスラ モデルYのドアパネルは前後共アルミ製です。
フロントドアの損傷は小さい様に見受けられますが、表面と裏面の篏合部分の変形が有る為、板金修理による修復は困難な状態です。
リアドアは全体的に大きく変形しており、クォーターパネルとの面の出入り具合も大きくずれてしまっています。
この様な損傷状態ですと前後ドアパネルは交換する必要があります。

リアドアを開けてみるとロッカーパネルがその下のロッカパネルカバーと共に大きく変形しています。
修理費用が高額になる事が予想される為、ご加入の車両保険を使って直す事になりました。
インターパシフィックでは損傷状態を撮影した画像を保険会社に送り、保険会社の担当者と作業・修理方法や塗装範囲、取替部品などをお打ち合わせし、通常使用・走行が可能な損傷状態の場合には修理に必要な部品を先に手配し、部品が全て入荷してからお車をお預かりする様にしております。
こうする事で、部品入荷の待ち時間を短縮する事が可能になり、修理期間を少しでも短く出来る様にしております。

今回のテスラ モデルYの作業方針は、左前後ドアパネルの取替塗装、ロッカーパネルの板金塗装及びロッカーパネルカバーの取替、前後ドアパネルに隣接するフロントフェンダーとクォーターパネルへの色合わせの為のボカシ塗装と言う作業内容になります。
まずは大きくへこんだロッカーパネルを直していきます。
へこみ部分の塗膜を剥がし、引き出したい部分にワッシャーを溶接しプルプレートと言う工具を使い比較的広い範囲のへこみをまとめて引き出します。
ロッカーパネルはスチール製ですがフロントフェンダーやクォーターパネル等の外板パネルに比べ硬い為、時間を掛けゆっくり丁寧に引き出します。

同様の作業を引き出す場所を変えオリジナルの面に戻るまで繰り返し行います。
複雑な形状をしたロッカーパネルでもこの様に綺麗に板金修理する事ができました。

板金修理部分に僅かに残る凹凸はパテを使って綺麗に成形し、新品のロッカーパネルカバーを仮付けしてパネル面の出入り具合を確認します。

パテを付けた部分を覆い隠す様にプライマーサフェーサーを塗装して、しっかりシールして赤外線ヒーターで十分に加熱乾燥させます。

新品の前後ドアパネルを車体に仮付けして隣接するパネルとの隙間や面の出入り具合を確認・調整します。

ゴミや埃をシャットアウトした塗装ブース内で新品の前後ドアパネルを専用の塗装台にセットし、裏側に下地色を塗装します。

引き続き前後ドアパネルの裏側にボディ色を塗装します。
ドアを開けた時に見える部分はボディ色をしっかり塗装しますが、中央部分のドアガラスやレギュレター・ドアトリム等が付いてしまうと見えなくなる部分は薄っすらと下地色が見える様な塗り方をします。
これは、新車時の塗装がこの様な塗り方をされており、オリジナルの雰囲気を再現する為です。

さらに前後ドアパネルの表側を熟練の塗装職人がテスラ モデルYの塗装肌や質感を再現すべく丁寧に塗装します。

次にボディ側の塗装を進めます。
ロッカーパネルの板金修理部分とフロントフェンダーとクォーターパネルへの色合わせの為のボカシ塗装を行う為に、ゴミや埃をシャットアウトした塗装ブース内で塗装前の足付け作業を終えたボディに様々な技術を駆使してマスキングを施します。

ドアパネルと同様に熟練の塗装職人が、テスラ モデルYの塗装肌や質感を再現すべく丁寧に塗装します。

塗装作業完了後、取り外していた部品を全て元通りに組み付け、洗車・最終仕上げ磨きをしてテスラ モデルYの板金塗装 修理は完了です。